【Movie】「バードマン あるいは無知がもたらす予期せぬ奇跡」の感想

万人受けではない、今必要な映画。

私はとても面白く感じましたし、アメコミの映画が流行っている今、こういった映画を観ることができたのはとても良かったし嬉しく思いました。私が今まで観た映画のランキングの上位に入ります。ただ、私の母は「あまり面白くなかった」と言っていました。B級映画やライトな映画が好きな方には少し難しすぎたかもしれません。あと、黄色い字幕の主張が強すぎて映像にあまり集中できなかったのはマイナスです。


シームレスな映像

この映画が一つの劇であり私たちは客席で舞台を見ているかのように、映像がずっとシームレスに続いています。よく見ていなければどこでカットしているのか分からないほどです。こういった映像の映画を観たのは初めてです。役者も次々と出てきてセリフを吐いては視界から消えていきます。この「一つの劇」という感覚がこの映画にも主人公の人生にもうまく合っています。


虚と実が巧みに溶け合っている

劇という一つの虚に対してリアリティを求める若い俳優や、主人公の超能力、それぞれの役者の劇中のセリフとその役者の想いなど、虚と実が巧みに溶け合っています。どちらが虚でどちらが実なのか最初は分かっていてもだんだんと分からなくなっていくような感覚や、これは虚だけではなく実でもあると気づかされたときの面白さがこの映画の醍醐味の一つでもあります。


セリフが繋がってからのクライマックス

ある役者の劇中のセリフがその役者の心情(リアリティ)と繋がっているとクライマックス直前で気づかされましたが、そこからクライマックスへの怒涛の勢いと緊迫感は、観ていてとても引き込まれます。その怒涛の勢いは観ていて胸が熱くなりましたし、切なくもなりました。狂気をはらみ追い詰められた末の「無知がもたらす予期せぬ奇跡」。この映画の長ったらしいタイトルの意味が最後に分かります。


枯れた映画に本物の血を

この映画は今現在の映画に本物の血を与えようとした作品といえます。もしもこの映画が死んでいるというのならば、その墓にはライラックの花束を……。その地には本物の血が流れているでしょう。




MEMO

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